群馬県富岡市の市役所が、建築界の巨匠、隈研吾氏が設計したにもかかわらず、予想外の劣化問題に直面しています。2018年に40億円をかけて完成したこの市役所は、外装に使用した木材がカビだらけになり、金具の錆や塗装の剥がれが顕在化。市は修繕工事を検討中だが、その費用負担を巡り、隈氏の設計事務所や施工業者と協議を進めています。
専門家からは「デザイン優先で木材の使用が常識的でない」との厳しい指摘も。隈氏が提唱する「負ける建築」の哲学、つまり自然環境との調和を追求する姿勢が裏目に出た形です。市民からは「外見が悪化し、腐ってきている」との声も上がっており、信頼が揺らいでいます。
さらに、隈氏が手がけた他の建物でも劣化が進行中で、栃木県の美術館では3億円の回収工事が必要との報道も。これにより、彼の建築スタイルが持つリスクが浮き彫りになっています。隈氏の設計事務所は取材に対し、慎重に対応する意向を示していますが、その影響は広がる一方です。
このようなトラブルは、隈氏の建築が環境に優しいとされる一方で、コストや耐久性に関する懸念を生じさせています。建築界の巨匠が直面する現実の厳しさが、今、明らかになっています。この状況がどのように展開するのか、注視が必要です。