神奈川県川崎市で発生したストーカー事件は、警察の対応に対する厳しい批判を呼び起こしている。2024年12月、20歳の女性Aさんが元交際相手の自宅から発見された遺体となり、事件の詳細が明らかになるにつれ、家族と警察の主張の食い違いが浮き彫りになった。特に注目されているのは、Aさんが失踪直前に「命の危険を感じている」と警察に訴えていたにもかかわらず、適切な保護がなされなかった点だ。

Aさんは失踪する前に、元交際相手からのストーカー行為に関して警察に何度も相談しており、家族はその際に警察に対して「誘拐の可能性が高い」と訴えた。しかし、警察側はストーカー被害の相談を受けていたという認識がなく、初動対応の不備が指摘されている。特に、Aさんの祖母の家の窓が割られているのが発見された際、警察は事件性がないと判断したことが家族の怒りを買っている。

事件の発覚から数ヶ月後、元交際相手の白井容疑者が逮捕されるも、彼は既にアメリカに逃亡していた。帰国後、警察は彼を任意同行し、死体遺棄容疑で逮捕したが、彼の行動には計画的な逃亡の兆候が見られる。Aさんの死因や、失踪から発見までの経緯は依然として謎に包まれており、警察の初動対応がこの悲劇を防げなかったのか、社会全体での議論が求められている。

この事件は、ストーカー被害者の声がどのように受け止められ、行動に移されるべきかという根本的な問いを投げかけている。警察の信頼性が問われる中、今後の捜査と裁判の行方が注目される。社会の安全を守るためには、過去の教訓を生かし、再発防止に向けた具体的な取り組みが必要だ。