高齢者が家族や介護職員などから虐待を受けた件数は昨年度(令和5年度)、1万8000件あまりで過去最多となり、このうちの90%あまりは家族や親族からによるものだったことが厚生労働省のまとめでわかりました。 厚生労働省によりますと、昨年度、高齢者が家族や介護施設の職員などから虐待を受けた件数はあわせて1万8223件で、前の年度より698件増え、統計を取り始めた平成18年度以降で最も多くなりました。 このうち家族や親族などによる虐待件数は1万7100件で93.8%を占め、27人が死亡しました。 家族や親族による虐待を詳しく見ると、「種別」は ▽身体的虐待が最も多く65.1% ▽次いで心理的虐待が38.3% ▽ネグレクトが19.4%などとなっています。 また「虐待者の続柄」は ▽息子が38.7%と最も多く、次いで ▽夫が22.8% ▽娘が18.9% ▽妻が7.6%などとなっています。 さらに「虐待の発生要因」は、複数回答で ▽虐待を受けた人の認知症の症状が56.4% ▽介護疲れや介護ストレスが54.8% ▽虐待した人の理解力不足が47.7%などとなりました。 虐待の程度が深刻になるほど介護保険サービスを利用していない傾向があり、厚生労働省は適切なサービスや支援の利用を促すほか、自治体に対して虐待防止の体制作りを働きかけるなどして対策を進めるとしています。 介護する人を支える取り組み 相談にのる喫茶店 家庭で介護する人を支えるための取り組みが地域で進められています。…
解剖研修で撮影したという献体の写真が投稿され、ネット上で批判が集まっています。 投稿した医師は自らのブログに「医師でありながら人としての倫理観が欠如した投稿をしてしまった」と記して投稿を削除し、陳謝しています。 投稿したのは東京を中心に全国展開する美容外科医院の医師で、アメリカ・グアムの大学で行われたという医師の解剖研修で撮影された写真をSNSとブログに投稿していました。 写真の一部にはモザイクがかけられ、献体が並んでいると見られる写真には、「頭部がたくさん並んでるよ」という文字が、笑顔の絵文字と一緒に載せられていました。 また、献体の前とみられる場でピースサインをしている医師の写真もありました。 こうした投稿はすぐにネット上で拡散し、「倫理観が欠如している」などと批判が相次ぎました。 なかには、医師の対応を批判する、1.8万リポストを超えたコメントもありました。(25日午後4時時点) こうした事態を受けて医師は投稿を削除し、今月23日の自身のブログで「ご遺体から学べる貴重な機会があることを多くの医師に知ってもらいたかった。医師でありながら人としての倫理観が欠如した投稿をしてしまったことについて心からお詫び申し上げます」と謝罪しています。 「不謹慎すぎる」「愕然とした」… この投稿についてSNSでは批判が相次いでいます。 「ご遺体に感謝と申し訳なさで躊躇し涙するんじゃないのか?命を救う医師にはそうあって欲しい」 「医者たちの倫理や、献体への尊厳ある対応を信じていたのに…」 「酷すぎる」 「不謹慎すぎる」 「解剖実験での献体への尊厳を欠いた医者たちの投稿には愕然とした」 研修の主催者「倫理上問題があり、遺憾に思う」 今回の研修は、アメリカの大学の医学部がグアムを会場に行いました。 研修会の事務局によりますと、日本の美容外科医などおよそ20人が参加し、医師らが献体に実際にメスを入れ、技術の向上をはかったということです。 解剖実習に使われる献体は、日本ではホルマリンなどで防腐処理した遺体が使われるということですが、この研修では死後、時間があまり経過していない遺体が使われるため、日本からの参加者が多いということです。 また、解剖現場での写真撮影は医師の間で共有し、スキルアップをはかる目的で、許可されていたということです。…
年末年始をふるさとや行楽地で過ごす人たちの帰省ラッシュが始まり、交通機関や高速道路は朝から混雑しています。 JR各社によりますと新幹線の下りは、28日からあさって30日にかけてが混雑のピークです。 ▽東海道・山陽新幹線をはじめ、 ▽東北・北海道、秋田・山形の各新幹線、 ▽上越・北陸の各新幹線は いずれも終日、ほぼ満席になっているということです。 ▽九州・西九州の各新幹線は一部で空席があるということです。 山陽新幹線は28日午前6時半ごろ、岡山駅と兵庫県の相生駅の間の沿線で起きた火事の影響で、広島駅と新大阪駅の間の上下線で一時、運転を見合わせました。 このため、遅れが出て、JR新大阪駅の改札付近では、キャリーケースや土産物の袋を持った家族連れなどで混雑し、多くの人たちが足を止めて電光掲示板やスマートフォンで情報を確認していました。 1歳の子どもを連れて静岡県に帰省するという20代の夫婦は「1時間くらい遅れそうで、子どもを寝かせたまま新幹線に乗せるつもりでしたが難しそうです。さい先が悪い年末年始になってしまいましたが、実家ではゆっくりしたいと思います」と話していました。 石川県輪島市にある能登空港では、昨夜から滑走路に降り積もった雪の除雪作業が進められ、午前10時すぎに羽田空港からの便が到着しました。 能登半島地震の影響で能登地方と首都圏を結ぶ能登・羽田便は、便数を減らすなどして運航してきましたが、12月25日から地震の前と同じ1日2往復の運航が再開し、28日午前の到着便はほぼ満席となりました。 娘の迎えに訪れた70代の父親は「地震から1年がたっても気持ちの整理ができない状況ですが、よく来てくれました。ぶりをさばいてパーティーをしたい」と話していました。 《高速道路》 高速道路では、28日午前中から一部で渋滞が起きていて、30日まで続くと予想されています。 日本道路交通情報センターによりますと、各地の高速道路は28日は昼前をピークに下り線を中心に渋滞していましたが、午後5時現在、10キロ以上の渋滞が発生しているのは、事故のため車線規制が行われている東名高速道路の上り線のみで、神奈川県の都夫良野トンネル付近を先頭に12キロとなっています。