井上尚弥選手が、ダウンを奪われた衝撃の展開から8回TKO勝利を収め、ボクシング界を再び熱狂の渦に巻き込んだ。ラスベガスのTモバイルアリーナで行われた世界スーパーバンタム級4団体統一戦は、まさに劇的な戦いだった。試合は5月4日、井上選手が期待される中、アメリカの苦労人ラモン・カルデナス選手が思いがけない一撃でダウンを奪った瞬間、会場は驚愕の声に包まれた。井上選手がダウンを喫するのは極めて稀なことであり、場内は緊張感に包まれた。

しかし、井上選手はすぐに立ち上がり、冷静さを取り戻すと、怒涛の反撃を開始。ラウンドが進むにつれ、彼の圧倒的なスピードとパワーが発揮され、7ラウンド目にはカルデナス選手に強烈な右ストレートを浴びせ、ついにダウンを奪う。試合は8ラウンドに突入し、井上選手は連打で攻め立て、カルデナス選手は防御を固めるものの、明らかに疲弊していた。レフェリーは試合をストップし、井上選手のTKO勝利が決まった。

試合後、井上選手はダウンを振り返り、「ちょっとした隙を疲れてしまった」と冷静にコメント。一方、カルデナス選手は「井上の目が明らかに変わった」と語り、彼の実力を素直に認めた。井上選手はこれにより、世界戦通算23KOを達成し、歴史的な記録を更新した。

次なる挑戦として、9月にはアフマダリエフ選手との試合が計画されており、さらなる期待が高まる。井上選手の驚異的な逆転劇は、多くのボクシングファンの心を掴み、今後の展開から目が離せない。