隈研吾デザインの建築物が、わずか数年で著しい劣化を見せ、専門家から激しい批判を浴びています。名古屋市の名城公園に建設中のIGアリーナでは、木材の使用法に疑問が集まり、「木の匠」と称される隈氏の名声に陰りが見え始めています。この巨大アリーナは、1万7000人を収容可能で、大相撲名古屋場所やバスケットボールBリーグのホームとしての役割が期待されていますが、デザインの実用性に対する懸念が広がっています。
全国各地で隈氏が手がけた建築物の急速な老朽化が報告されており、栃木県のバト広美術館では、わずか24年で木材が黒ずみ、崩落の危険を伴う状態に。京王線高尾山口駅でも、完成から1年でカビが発生するなど、維持管理の重要性が無視されているのではないかとの指摘が相次いでいます。これらの問題は、公共施設の建設において深刻な修繕費用をもたらし、中川町の美術館では約3億円の回収費が必要とされています。
業界内外からは、「クマちゃんシール」と揶揄される隈氏の手法が、デザイン性を重視するあまり実用性を後回しにしているとの批判が高まっています。木材の耐久性についての懸念や、定期的なメンテナンスが考慮されていないのではという声もあり、今後の公共建築に与える影響が懸念されています。
美しさと持続可能性のバランスを求める声が高まる中、隈氏の設計手法が抱えるジレンマが浮き彫りになっています。私たち市民は、今後の公共建築が本当に長く使えるものであるべきか、真剣に考える必要があるでしょう。